WELLNESS
睡眠不足を解消! 人間工学に基づく「オーダーメイドまくら」が人気の理由
Reported by Madoka Natsume
2022.5.16
眠りたいのに、眠れない。やることが多すぎて、十分な睡眠時間を確保できない。疲れが抜けず、日中も眠気に襲われ、集中力が続かない……。不眠に悩まされている人は日常生活にも支障をきたしていることが多いようだ。睡眠の質を高めることは、生活のリズムが整いやすくなることにも繋がり、日中のパフォーマンスが格段にアップするそうなので、ぜひ大事な睡眠について見直してみたい。サプリメントや飲料、生活習慣を見直すことも大切だが、自分にあった寝具を揃えることも効果が期待できる。そこで、予算的にも時間的にも気軽にオーダーメイドできる、まくらについて調べた。
慢性的な睡眠不足!? 日本人女性の睡眠時間は世界ワースト2位
日本人女性の睡眠時間は諸外国に比べて短く、韓国次いでワースト2位となっている。睡眠時間と睡眠の質は必ずしも比例はしないが、睡眠時間が短いということは、十分な休息をとっているとは言えないだろう。睡眠不足は、疲れがとれにくくなる、日中ぼーっとして集中できないだけでなく、肌あれや肥満につながることも明らかになり、美容や健康面にとっても大きな影響を与える。
寝姿勢を正しくすると、睡眠の質が上がる
十分な睡眠時間の確保が難しいならば、睡眠の質を高めることにフォーカスしたい。サプリメントや飲料、運動などさまざまなアプローチが考えられるが、寝具にこだわるのもひとつの方法。そこで注目したいのが、自分の体型や姿勢に合ったまくらを選ぶこと。明治8年創業のふとんタナカでは、オーダーメイド寝具『じぶんまくら』が発売以来145万個を販売、ライフスタイルの変化により、さらに需要が伸びているそう。『じぶんまくら』をはじめ、製品全般を統括する商品部の橋本希代子さんに、質のいい睡眠とまくらの関係について教わった。
「私たちは、質のいい睡眠を得るためには正しい“寝姿勢”が何よりも大切だと考えています。体型は人それぞれですし、姿勢も違います。ですから、オーダーメイドで一人ひとりにあった寝具=オーダーメイド寝具をご提供しています」と橋本さん。オーダーメイド寝具とは、体型を測定し、スタッフが好みや睡眠で困っていることを聞きながら、調整を繰り返してその人に合った最高の寝具をつくること。ふとんタナカでは、『じぶんまくら』のほか、『じぶんマットレス』もある。
寝返りしたときに目が覚めるなら、まくらが合っていないかも!?
オーダーメイドというと敷居が高く感じるが『じぶんまくら』は、3万円~と比較的お手ごろ価格。すべてを揃えなくても、まずはまくらから気軽に試してみてもいい。「睡眠時、平均20~30回ほど寝返りをうっていると言われています。寝返りは、接着面の熱を放出する体温調整、血液やリンパを流す、ゆがみを整えながら筋肉や骨を休ませる役割があることから、質の高い睡眠が得られます。そこで、『じぶんまくら』は、仰向きも横向きも、それぞれに合わせた高さに調整しています。寝返りをしたときに目が覚めてしまう方は、もしかしたらまくらの高さが合っていないかも知れません」(橋本さん)
人間工学に基づいたオーダーメイドまくら
『じぶんまくら』は、人間工学に基づいた設計となっている。2019年より導入開始した『IB Mirror』は、大学と共同開発したオリジナルの非接触型の測定器で、全国の店舗に順次設置しているそう。「鏡に設置されたカメラで、正面・横・背面を撮影するだけで、からだのゆがみをスコアで表示します。筋肉にどれほどストレスがかかっているか、背骨のカーブなどがわかりやすく数値化されます。この測定データを基に、お客様一人ひとりの身体に合った『じぶんまくら』をおつくりすることができます」
Kiyoko Hashimoto | 橋本希代子
株式会社タナカふとんサービス 商品部所属。愛知県にある本社にて、全国店舗の運営のほか、好調なECサイトの運営も担当する。『じぶんまくら』、『じぶん敷ふとん/マットレス』、プレミアムオーダーなど、多岐にわたる自社の寝具について精通、スタッフへの教育も行う。
夜中に目が覚めてしまう……! 睡眠に悩む筆者が、じぶんまくらができるまでを体験
慢性的な肩こり・首こりに悩み、寝具のせいかは不明だが夜中にたびたび起きてしまうという筆者が、『じぶんまくら』を購入するために、ららぽーと立川立飛店へ。測定からできあがりまで、体験ルポ。
HOW TO ORDER!
【STEP1】IB Mirrorで測定する
まず行うのは、『IB Mirror』で自分の身体を数値化。靴を脱いで鏡の前に立ち、正面・横・背面を撮影する。わずか10秒程度で測定は終了。パソコンと連動していて、すぐに数値がわかる。ちなみに、姿勢がとてもいいそうで82%という高スコアだった。
【STEP2】カウンセリング
計測後は、スタッフとカウンセリング。睡眠時間や環境、睡眠に関して悩んでいることなど話しつつ、実際ベッドに寝て、寝姿勢を確認してもらう。筆者の場合、寝返りのうち方が間違っているようで、正しい寝返り方法を教えてもらった。自分ではまったく気づいていなかったことを教えてもらえるのもうれしい。
【STEP3】首の高さ・位置を測定する
いよいよ『じぶんまくら』をつくる。まくらに頭をのせ、まくらに対して頭や首に無理な力やストレスがかからないように、高さを調整していく。㎝単位で細かく調整するので、ベストな位置が見つかる。
【STEP4】中材をつめる
『じぶんまくら』は、14に分かれたポケットがあり、その中にそれぞれの高さ・かたさに合った中材を入れる。素材はやわらかいものからかたいものまで8種類あり、大きさも異なる。頭の首の微妙な高さやカーブの高さを埋め、さらに仰向き寝・横向き寝で異なるまくらの高さに調整する。ポケットに中材をいれた後、まくらに頭をのせてさらに微調整が続く。
【STEP5】定期的なメンテナンス
『じぶんまくら』は使用から10日、3ヶ月、半年、1年と希望に合わせて点検、さらに使い続けていくうちに合わなくなったら無料で中材交換のメンテナンスがある。
LINE UP!
『じぶんまくら』は3種類。「レギュラー」と「プレミアム」とでは生地が異なる。最高級の「頂(いただき)」は、熟練のスタッフが在籍する店舗のみで作成し、専属工場の職人がすべて手作業で仕上げる。
普段使っていたまくらは、ホテルにあるようなクッション性の高いまくらだった。今までよりも低くなった『じぶんまくら』に頭をしずめると、かなりしっくりしていた。とくに首に負担がかからず、無理な力がどこにもかかっていないのがわかる。仰向き・横向きになったときもストレスがなく、翌朝までぐっすり。使い始めて1週間になるが、もう『じぶんまくら』以外は使えない。まくらが変わるだけで、こんなにぐっすり眠れるなんて、夢にも思わなかった。困ったことに、次は『じぶんマットレス』が欲しくてたまらない……。
Photo: CHIKA OKAZUMI
Content Writing
Madoka Natsume | 夏目円
Beatuy Editor/Writer
大学卒業後、出版社で編集者を務めたのちに独立。20年間以上の間で3000件以上の取材・執筆を行う。美容を専門分野とし、20代から60代と幅広い年齢層の執筆・企画を行うほか、化粧品のコンセプト立案、コピー制作など幅広く行う。ヘアメイク、スキンケア、ダイエット、アロマ、フレグランス、ボディケア、ヘルスケアと幅広いジャンルに精通。2009年より『オールアバウト』にてスキンケアガイドを担当。時間のある週末は、『ひとり映画鑑賞会』と題して、カフェオレを片手にミニシアターで映画を観るのが楽しみ。