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プロテインの基礎知識。毎日の健康と美容に効く、正しいとり方

Reported by Yumiko Murata

2022.4.15

どちらかというとトレーニングをしている男性が飲んでいるイメージが強いプロテイン。実はダイエットや美容にも効果的という。そもそもプロテインとはどういった栄養素? 不足するとどんな悪影響を受けるの? 管理栄養士の浅野まみこさんにプロテインについての基本知識を伺った。さらにプロテインマイスターのプロテインひろこさんが30~40代女性におすすめのプロテイン製品をピックアップ。ぜひ毎日の健康と美容に役立てて。

今、注目のプロテイン。そもそもどんな役割があるの?

「プロテインは英語で、タンパク質のことですが、日本では栄養補助食品としてのプロテイン、特にパウダー状のものをさすことが多いですね」と管理栄養士の浅野さん。ご存じのとおり、タンパク質は三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)のひとつ。食品でいうと肉や魚、卵、大豆製品、乳製品に多く含まれる栄養素です。

「タンパク質は、私たちの体をつくるのに欠かせない栄養素。筋肉や肌、髪、爪、内臓、ホルモンなど、体のさまざまなものの材料になります。また食事誘発性熱産生(DIT)というのですが、消化に負荷がかかるので、食べることによって熱量が上がり、体を温めて代謝を上げる効果も。糖質、脂質についで、エネルギー源としても使われます」

このように私たちの体の構成に必要なタンパク質。不足するとどのような不具合が起こるのだろう。

「短期的には、肌や髪が荒れたり、筋肉量が減少し、代謝が落ちるので太りやすくなります。血流も悪くなり、肌も修復しづらいので、老化が進みやすくなる可能性もあります。また長期的な視点ですが、加齢により筋肉が減少し、筋力が落ちることで『サルコペニア』になる可能性もあり、日常生活にも大きく支障をきたすことになります」

ただほとんどの人が、タンパク質を十分にとれていないというのが現状だ。

「1日に必要なタンパク質は、体重(kg)×1~2g(活動量による)。日常的に運動をしていない50kgの体重の方は、一日に50gのタンパク質をとるのが理想です。これはお肉だと約300g、牛乳だと1400ccに相当します。

*厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、タンパク質の推奨量は18歳〜74歳で男性65g/日、女性50g/日とされています」

これだけの量を毎日とるのはなかなか難しい。特に外食が多い人、一人暮らしの人は、不足しがちになると浅野さんは指摘する。

「できれば食品からタンパク質をとることが理想ですが、食事量がとれない、偏るなどするときはプロテインで補うことをおすすめします」

プロテインといっても種類はいろいろ。どう選ぶのが正解?

ホエイ、カゼイン、ソイ、ピー、ヘンプ、ライス、アーモンド……ひと口にプロテインと言っても素材はさまざま。主に動物系(ホエイ、カゼイン)と植物系(ソイ、ピー、ヘンプ、ライス、アーモンド)に分かれるが、目的別に特におすすめの3つを浅野さんがピックアップ。その理由とともに紹介する。

□運動をする、筋肉をつけたい
→ホエイプロテイン

「運動後30~60分以内にタンパク質をとると筋肉がつくられやすいのですが、運動直後に食品でとるのはなかなか難しいですよね。そんなときこそプロテインを。なかでもホエイプロテインは、牛乳に含まれるタンパク質のひとつでアミノ酸組成がよく、体への吸収も早く筋肉になりやすい特性があります」

□運動はしないけどボディメイクしたい
→ソイプロテイン

「ソイプロテインは大豆由来の植物性プロテイン。消化吸収がゆっくりなので、腹持ちがよいのが特徴。あまり運動はしないけれど、筋肉不足を解消したい人におすすめです。間食や食事といっしょにとるといいでしょう。ただしイソフラボンを含むので、食事に納豆、豆腐、油揚げ、豆乳など、大豆食品を多くとる人は、あまり飲みすぎないように。またすでに婦人科系の疾患がある人は症状を悪化させてしまう可能性がありますので、適量が大切です」

□美肌になりたい
→アーモンドプロテイン

「アーモンドプロテインはビタミンEが豊富なので、抗酸化効果が期待でき、アンチエイジングにおすすめ。また、乳、大豆にアレルギーがある人にもいいでしょう。間食や食事といっしょにとってください」

ただし「あくまでも食事がメイン、足りない分をプロテインで補うように」と浅野さん。

「食事から食べることで、タンパク質を消化するために胃腸がしっかり動きます。消化は言ってみれば内臓の筋トレ。普段から内臓を鍛えておかないと消化機能が落ちてしまいます」

またプロテインの飲みすぎも要注意と警鐘を鳴らす。

「実はタンパク質単体そのものは、えぐみがあり、正直にいうとまずいんです。なのでプロテイン製品はおいしくするために製品には糖質、脂質が含まれているものがほとんど。香料や人工甘味料も入っています。カロリーもそれなりにあるので気をつけましょう。選ぶときには、味だけでなく1食あたりのタンパク質量、他に入っているビタミンやミネラルなど栄養素の種類、カロリーなどの表示をしっかり見て、自分にあったものを選びたいですね」

プロテインひろこさんが指南。おすすめのプロテイン7

ここからは、運動しないプロテイン愛好家でプロテインマイスターの資格をもつプロテインひろこさんが30~40代女性におすすめのプロテインを紹介。目的や好みによって自分にぴったりのものを選ぼう。

1.タンパクオトメ
【美容目的、初心者に】

「自然食品屋タマチャンショップがつくった女性向け美容専門プロテインで、累計100万袋売れているヒット商品。お試しサイズもあるので、初心者女子におすすめです。ホエイ&ソイプロテインをダブルで配合し、女性に不足しがちなビタミン・ミネラルなどの美容栄養成分が25種類以上たっぷり入っています」

なかでも人気NO.1は、プロテインひろこさんのプロデュースによる朝専用のプロテイン「すこやか朝バナナ味」。本物のバナナピューレを使用したもので、黒ごまやココアパウダーを入れたり、ヨーグルトに混ぜるなど味変を楽しめるのが魅力。

タンパクオトメ

2.ULTORA
【運動のお供に、人工甘味料フリー】

「プロテインの添加物を気にされる女性も多いのですが、こちらは人工甘味料不使用で甘ったるさが少なくて溶けやすく、運動後・間食・食事になど、どんなシーンでもすっきりとおいしく飲めます。タンパク質は1食23.8gあり、原材料の半分がWPIという純度の高いホエイプロテインを配合したクオリティの高い製品です」

ULTORA

3.THE PROTEIN
【運動のお供に、続けやすいコスパ】

「原材料が高騰しているホエイプロテインですが、こちらは1kg 2,000円台で買える希少なもの。運動後にスッキリ飲めるレモンヨーグルトやマンゴラッシー、食事に合わせやすい抹茶やアーモンドラテなど甘すぎない味でおいしくいただけます。お財布に優しく、味のバリエーションが豊富なのも魅力です」

THE PROTEIN

4.ソイプロテインビューティ
【動物性が苦手な方、ナチュラル嗜好の方】

「100%植物成分、ヴィーガンフレンドリーのプロテイン。人工甘味料フリーのきなこ味は、若い女性だけでなく高齢世代の方もおいしく飲める味。ソイプロテインは粉っぽさやドロッと感があることも多いのですが、独自の特殊技術で粉っぽさを排除していて、溶けやすくダマにならないので、初めての方でも飲みやすいはず。モリンガ、アサイー、マキベリーなどのスーパーフード入りで、美容が気になる女性におすすめです」

ソイプロテインビューティー

5.生姜プロテイン
【冷え性の方、ホットで楽しみたい方】

「寒い日に冷たいプロテインは体が冷えるから……と冬はプロテインを飲まなくなる女性が多くなります。そんなときには、生姜生産量国内NO.1の高知県四万十町のパワフルな『親生姜』をたっぷり使ったこちらの温活プロテインを。ホットにしてもおいしく飲めるジンジャーミルクティー味で、冷え対策や風邪予防にもぴったりです」

生姜プロテイン

6.SOY CHOCOプロテインバー(チョコレート味)
【お財布に優しくておやつにぴったり】

「『ラカント』を使用した低糖質なチョコプロテインバー。大豆パフのザクザク食感が食べごたえ抜群で、糖質は抑えたいけど、タンパク質はしっかりとりたい方におすすめです。パティシエがつくったオリジナルのチョコレートは本格的な味わいで、栄養価と味のクオリティが高く、それでいて1本100円台という価格を実現。セブン-イレブンで購入可能です」

SOY CHOCOプロテインバー(チョコレート味)

7.プロテインスナック BODY STAR
【間食やおつまみに】

「あのベビースターラーメンの会社が本気でつくったプロテインスナック。スナックとは思えないほど、高タンパク低脂質でダイエット中の方でも罪悪感なく食べられるはず。『PFCバランス(タンパク質、脂質、糖質のバランス)』も素晴らしく、食べごたえも十分にあります。間食やお酒のおつまみにぴったりですよ。個人的にはBBQ味がイチオシです」

プロテインスナック BODY STAR

上手に毎日取り入れて、健康的でアクティブな体づくりを

必要な栄養素を食事だけで取り入れるのは難しいし、1日はできたとしても毎日続けるのはなかなか困難。特に女性はタンパク質が不足しがち。今日はタンパク質がとれていないな……と感じたら、プロテインで取り入れるようにしてみよう。筋肉や肌がつくられやすくなり、結果、健康維持やボディメイク、美肌につながるはず。ただし前述にもあるとおり、飲みすぎにはくれぐれも注意が必要だ。「PFCバランス」を意識し、ビタミン、ミネラルもとることで、バランスのとれた食生活を心がけたい。

MAMIKO ASANO | 浅野まみこ

Registered Dietitian

病院等で栄養相談実績を積み、糖尿病を専門領域とする。現在は、企業や店舗の商品開発、レシピ開発をはじめ、健康サービスなどの食と健康のコンサルティングを中心に活躍。コンビニなどを使った身の回りのわかりやすい栄養解説が人気を呼び、メディア、雑誌等でも監修やコメント等で多数出演中。著書に『コンビニ・ダイエット』(星海社新書)『夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)など。
https://e-vita.jp/profile/

HIROKO PROTEIN | プロテインひろこ

Protein Meister

今まで350種類以上ものプロテインを試してきた、運動しないプロテイン愛好家。「マツコの知らない世界」や「林先生の初耳学」などメディアや雑誌で注目を浴びるプロテイン女子。今まで筋肉をつけるために飲むイメージの強かったプロテインを、きれいになる方法のひとつとして提案しているInstagramは多くの女性の支持を集めている。女性向け美容プロテイン『タンパクオトメ』『生姜プロテイン餃子』など、商品のプロデュースにも多数携わる。
https://www.instagram.com/protein_hiroko/

Content Writing

Yumiko Murata | 村田由美子

Beauty Editor

元『ELLE』ビューティ ディレクター。ファッション誌のビューティ担当を20年以上続け、フリーランスに。『エル・ジャポン』『エル・オンライン』のほか美容誌などでも執筆。食べることと赤ワイン、南の島をこよなく愛し、美容に悪いと思いつつもバカンスでは太陽をたっぷり浴びている(その分ケアもしっかりしています笑)。趣味はダイエットと歌うこと。