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BEAUTY

実は顔よりも深刻!?  “コロナ老け”した手肌と爪のリカバリー法

Reported by Naomi Sakai

2021.5.13

長引くマスク生活で、エイジングが倍速で進んでいるように感じている人は多い。しかしそれは顔に限った話ではなく、過度な洗浄やアルコールで潤いが奪われた手肌や爪も、顔と同じスピードで老化している。ファッショニスタや美容業界人ご愛用のネイルサロン「ネイディーンネイルズ」代表・高野尚子さんが、エイジレスな手もとを取り戻すセルフケアメソッドを伝授!

手は心とつながっている。だからこそ、エイジレスな手もとを保つべき

乾燥による手肌や爪のくすみ、シワっぽく節が目立つ指、ハリがなく血管が浮き出た手の甲。「手ってこんなに急速に老けるもの?」と、コロナ禍になってからの手のエイジングスピードに戸惑っている人は多い。実際、高野さんのサロンにも、ケア目的で訪れる人が増えているという。

「いつもアートしかしない方がホワイトニングやピーリングなどのトリートメントメニューを追加したり、ケアだけで訪れる方が増えたりと、手のエイジングケアへの関心の高さを日々感じています。これだけ手洗いとアルコール消毒の機会が増えれば、乾燥や手荒れが気になるのは当然のこと。でも、“手のエイジング”までは、予想できていなかった人が多いのかもしれません。手は心とつながっているもの。ふと視界に入った自分の手が老け込んでいたら、心までささくれ立ってしまいますよね。だからこそ、自分の手肌をうんと慈しみ、もっと美しく整えて、そこから明るさや元気を取り戻してほしいのです」

エイジレスな手もと作りに近道なし。保湿&角質ケアのルーティン化がマスト

こまめにケアしないとすぐカチコチになる足裏と同じように、サロンで綺麗にケアをしても、普段何もしなければすぐ元通りに。一発逆転を狙わず、保湿と角質ケアをルーティン化することが、ふっくら柔らかな若々しい手もとであり続ける鍵に。

「手肌の乾燥が進むと、くすみやシワっぽさ、ゴワつきが目立ちやすくなりますが、保湿するだけでは不十分。ネイルオイルやハンドクリームの潤いや栄養をきちんと届かせるためにも、手や爪周りの角質をきちんと取り除いておく必要があります。手肌だけでなく爪にもスクラブをかける、お風呂の中で甘皮をふやかしてこまめに取るなど、角質ケアをルーティンに加えておくだけで、普段の保湿ケアの手応えがアップ。よりしっとりふっくらとした手肌を保ちやすくなります」

また、手肌のエイジングを進ませないためには、日々のスキンケアや家事にもひと工夫を。

「お皿を洗うときは、ハンドクリームをたっぷり塗って薄手のゴム手袋をはめ、熱めのお湯で行います。お湯の熱でゴム手袋の中が蒸されて、スチームパックされたように肌がしっとり潤ってふっくら感もアップします。また、化粧水や美容液、クリームなど、フェイスケアをしたら、その手についた余りを手肌に塗り込むクセをつけておくと、シワっぽさやくすみが目立ちにくくなりますよ」

清潔感や好印象を勝ち取る! メンズネイルケアの注目度も上昇中

手や爪が綺麗になると気分が上がるのは女性も男性も同じ。メンズビューティの盛り上がりとともに、最近ではサロンを訪れる男性客も増えている。

「女性ほどケアをしてこなかった分、プロが仕上げたピカピカの爪を一度体験してしまうと、“こんなに綺麗になるんだ”と感動し、その快感にハマってしまう方が多いようです。女性は男性の手もとをよく見ているので、末端までケアがちゃんと行き届いていると、清潔感が生まれ好印象につながりますし、名刺交換などビジネスシーンでの好感度もアップします。男性の爪は女性に比べて水分が多く強いので、細かいステップを踏まなくても大丈夫。隙間に汚れが入らないように短く整える、お風呂で甘皮や余分な角質を取り除く、ハンドクリームをこまめに塗る程度でもずいぶんと手もとの印象が変わってくるはずですよ」

いつでもサロン帰りの手もとに。高野さん直伝・セルフハンド&ネイルケアメソッド

サロンにこまめに通うのが難しいとき。高野さん直伝のセルフハンド&ネイルケアメソッドをマスターして、エイジレスな手もとをキープして。

① 爪やすりで長さ・形を整える

まずは爪やすりで好みの長さ・形にシェイプ。爪やすりは爪に対して斜め45度にあて、一方向に動かすことで、ミルフィーユのようにボロボロにならず綺麗に削ることができる。

② クッションファイルで爪先を滑らかに

やすりがけした爪の先端を、さらに目の細かいクッションファイルで滑らかに整える。

③ バッファーで爪にツヤを出す

バッファーで圧をかけながら爪の表面を磨き、ツヤを出していく。

④ 指先をお湯に浸して爪をふやかす

指先にネイルクリームをなじませたら、42〜3℃のお湯を張ったフィンガーボウルに指先を浸し、爪をふやかす。入浴剤を入れて色や香りを楽しむのもおすすめ。片手3分程度でOK。

⑤ キューティクルリムーバーをなじませる

爪が十分ふやけたら、水分を拭き取り、爪の根もとにキューティクルリムーバーをなじませ、角質を柔軟にする。

⑥ プッシャーで甘皮を押し上げる

爪の表面にこびりついたルースキューティクルと柔らかくふやけた甘皮を押し上げて、爪のフレームをクリーンに整える。爪を傷つけないよう、プッシャーは爪に対して45度にあて、薄皮を優しく剥がすように力を抜きながら動かす。

⑦ ガーゼで余分な角質をオフ

ガーゼを親指に巻き付け、水に浸したら、くるくると小さな円を描きながら爪の根もとや溝にたまった余分な角質を取り除く。ゴシゴシ左右にこすらず、中央から右回転、左回転と一方向に動かす。

⑧ 爪の栄養剤でダメージを補修

爪の主成分であるケラチンなどの入った栄養剤を塗って爪を傷みにくく。

⑨ オイルで爪と爪周りを保湿

爪や爪周りにオイルを塗って潤いをチャージ。

⑩ ハンドマッサージで爪の成長を促進

手肌全体にもオイルを塗ってマッサージ。指を根もとからつかんで指先まで引っ張り、爪をプッシュ。指を回したり、手首のストレッチを加えるとさらに血流がアップ!

仕上がり

余分な角質が取れ、潤いがたっぷり補給された理想的な状態。マッサージ効果で透明感とハリがUPし、くすみも改善!

使用アイテムはこちら!

(左から)爪の角質を柔軟にする「キューティクルリムーバー」、爪の栄養剤「ネイルリペアオイル」、甘皮や薄皮を押し上げる「プッシャー」、爪にツヤを出す「バッファー」、爪の長さ・形を整える「エメリーボード」、削った爪を滑らかに整える「クッションファイル」、手や腕の保湿&マッサージに使用する「ボディオイル」、角質除去後の潤い補給に使用「ネイルオイル」。

華やかな指先で大人の手もとを洗練! サマーネイルアイデア4

目尻の笑いジワやそばかすがチャームポイントになるように、手肌や爪に表れたエイジングサインも全て消そうとしないこと、と高野さん。爪にのせる色やデザインで自分らしい手肌を生かすのも、若々しい手もとを演出するひとつの方法。

「顔と同じように手のエイジングも避けられないもの。角質ケアや保湿という基本ケアができていれば、あとは無理に何かしようとしなくても大丈夫。ネイルアートで華やかに飾るだけでも、手もとがパッと華やいで若々しく見え、自信も生まれるはず」

そこで今回は、大人の手肌に映える、明るくポジティブなムードのデザインを高野さんにオーダー。今年のトレンドカラーや注目デザインを楽しみながら、エイジレスな手もとを叶えて。

① 手肌の透明感UP! アイシーなランダムフレンチ

アイシーなパステルブルー×シルバーが涼やかな、初夏にぴったりのネイルアレンジ。トレンドのフレンチを、ラインを崩してリズミカルに入れることで、よりスタイリッシュな雰囲気に。

② うねりラインのバイカラーが新鮮! 大人のブロンズネイル

うねうねとした曲線とゴールドのスタッズをアクセントにしたバイカラーネイル。モードでありながらもエレガントなデザインで大人の手もとを洗練。

③ ハッピーを引き寄せ! ライラックのランダムアート

今年のラッキーカラー、ライラックを主役にした開運ネイル。気ままにのせた色と曲線を楽しみながら、指先からハッピーを引き寄せて。

④ パステルネオンのダブルフレンチでポジティブマインドに

パステルネオンのプレイフルなダブルフレンチ。アクティブになれるカラーチョイスで、指先からポジティブマインドに。根もとをクリアにして抜け感を作ることで、派手色の多色使いでも大人の肌にフィット。

手は顔ほどに歳を表す。だからこそ、こまめなケアと指先のおしゃれで、いつでもエイジレスな手もとを!

Naoko Takano | 高野尚子

nadine Nails CEO
Nailist

ネイリスト。ネイルサロン「ネイディーンネイルズ」代表、ジェルネイルブランドをプロデュース。数多くの雑誌や広告のネイルを担当。確かな技術とトレンドをキャッチしたセンス抜群のネイルアレンジ、柔らかくエレガントな物腰で、女優やモデル、美容業界人から絶大な信頼を寄せられるカリスマネイリスト。ネイルスクールも主宰し、後進の指導にも従事。
http://www.nadine.jp/

Photo: Tetsuo Kitagawa
Model: Yoko Aiuchi(SOS MODEL AGENCY)

Editor’s Note取材メモ

  • 脳とインナーを整えて、コロナ禍でも自分らしく

    コロナ禍でも変わらずヘルシーな美しさをキープしている高野さん。その秘訣は、朝晩のメディテーションとヨガにあり。香りを楽しみながら瞑想し、脳をクリアにしてから体幹をしっかりトレーニング。サロンワークで凝り固まった身体をリリースし、脳とインナーを整える習慣をつけることで、自分らしさを保てるようになったそう。

Content Writing

Naomi Sakai | サカイナオミ

Beauty Writer

美容ライター。美容室勤務、美容ジャーナリスト齋藤 薫氏のアシスタントを経て、美容ライターとして独立。『25ans』をはじめとする女性ファッション誌や美容誌、web、百貨店媒体、広告などさまざまなメディアで執筆。ジャンルはメイク、スキンケア、ヘアケア、ヘルスケアをメインに、着物や占いまで多岐にわたる。無類の猫好き。

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