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爽やかな風と景色を楽しむ。サイクリングに出かけよう!

Reported by Yuko Matsuzaki

2021.9.16

空気がカラッとしてくる秋はアウトドアスポーツを楽しむのに最適な季節。特に今おすすめしたいのはサイクリング。コロナ禍で日々の移動を電車やバスなどの公共交通機関から自転車にシフトした人も多いと思うけれど、でもせっかく手に入れた自転車、移動手段だけにしておくのはもったいない。スポーツトラベラーとして日本をはじめ世界各国を旅してきたモデルの福田萌子さんに、サイクリングの魅力、そして自転車に乗る際のマストアイテムやお気に入りのサイクリングコースを教えていただいた。

自転車のスピードだから気付く美しい景色に魅了

「都内での移動は、基本ランニングか自転車です」と言うのは、モデルでありスポーツトラベラーという肩書を持つ福田萌子さん。健康的に引き締まったカラダと長い手脚で颯爽とロードバイクに乗る姿は誰もが“カッコいい!”と見惚れてしまうほど。

2018年からは、アディダスが主宰するトレーニングコミュニティ「アディダス ミーキャンプ」のキャプテンを務め、多くの女性とともにランニングやトレーニングを楽しんでいる。そんな彼女が自転車と出合ったのは、2013年に開催された「サイクリング屋久島」という島一周100kmを走るサイクリングイベントだった。

「友人から“一緒に出ない?”って誘われたんです。それまではママチャリすらほぼ乗ったことがなく、ギアチェンジの仕方とかも全然分からない状態だったのに、世界遺産を自分の体を使って走れるところに魅力を感じて参加したら、とにかく楽しくて!」

海外に行った際にはランニングで世界遺産を見て回ることが多かった福田さん。自分のカラダを使って100kmという距離を楽しく走れたこと、自転車のスピードだから気付く美しい風景、世界遺産を五感で感じられたことで、自転車に魅了された。

それ以降、海外に行く際には自転車を持参。NYの街を封鎖して2万人が走るサイクリングイベント「BIKE NEW YORK」やハワイ・オアフ島を100マイル走る「ホノルルセンチュリーライド」などのサイクリングイベントにも参加。一時は、落車でケガを負ったものの、きちんとしたロードバイクの乗り方を教わることで怖さを克服。最近ではヒルクライムと呼ばれる登りメインのサイクリングに仲間や、時にはひとりでも出掛けることが多くなったそう。

まずは、クルマや電車移動だった場所に自転車で行ってみては?

そう聞くと、自分には縁遠い話……と思ってしまうかもしれないけれど、福田さんいわく「距離やスピードなんてまったく気にしなくていいんです。乗りたいときに、乗りたいだけ乗ればいい」とのこと。例えば、お気に入りのカフェまで自転車で行ってみる、これまで電車で通っていた場所に自転車で行ってみるなど、クルマ、電車、徒歩だった移動手段を自転車に替えるだけで見える景色は違ってくるし、リフレッシュにもなるのだそう。

「本当は自然豊かな山を走るのが好きなんですが、時間が無いときやサクッと走りたいときはほんの5キロでも近所を走ります。街乗りではクルマが多かったり、信号ですぐ止められるなんてこともありますが、自分のペースでなるべく真っすぐ走れるよう意識したり、止まるときのブレーキングや降り方も練習になるので、それも楽しみのひとつだと思っています」

とにかく自転車に乗っている時間が幸せ、と話す福田さん。「サドルの上に住みたい!」くらいだそうで、最近はどこに住んでいるのと聞かれて「ロードバイ区(ク)、キャノンデール」と答えているのだとか。

現在、自転車を3台所有するという福田さん。この日、乗ってきてくれたのは、海外にも持参しているキャノンデールのロードバイク、スーパーシックスエボ。同ブランドのカスタムラボで自分の好きな色に仕上げたお気に入りの愛車。

自転車は有酸素運動、脂肪燃焼効果もあります

そんな福田さんから「自転車はダイエットにも効果的」という話も伺った。とはいえ、自転車=競輪選手のようなムキムキの太もも……というイメージもあるが。「自転車は有酸素運動なので脂肪燃焼効果があります。適切なギアを選んでペダルをクルクルと回転させれば、筋肉に余計な負荷はかからないので太くはなりません。脚の筋肉を使うことで、脚やお尻も引き締まります」。たしかに、「ツール・ド・フランス」のような自転車ロードレースの選手を見てみると、どの選手も引き締まったスリムな体形をしている。福田さんもモデルの仕事で少し体を絞りたいときなどには、積極的に山に向かうそう。

「山を登るときは苦しいときもありますが、足を着かずにもう少し先まで行ってみようと走り切れたときは達成感があります。ちょっとづつ積み重ねて、以前はできなかったことができるようになる、それは自信にも繋がりますよね」。自転車に乗り始めたことでメンタルも鍛えられたと言う。

そんな福田さんに自転車に乗る際のマストアイテムとおすすめのコースを教えていただいた。

Moeko’sサイクリングのためのマストアイテム

キャノンデールのフラットペダル

通常ロードバイクの場合、足が固定されるビンディングペダルを使うことが多いのだけど、福田さんはフラットペダルでどんなところにも走りに行く。「ロードバイクに乗ったらビンディングじゃなきゃいけないなんてルールはありません。私はいつもこれで山を楽しんでいます。初心者の方で、足が固定されて怖いと思うならフラットペダルもあり。これならスニーカーのオシャレも楽しめますしね」

JBLのBluetoothスピーカー

自転車に乗るときに音楽は必須という福田さん。自転車のボトルゲージに入ることと防水という点で選んだのが、JBLの「FLIP4」。「山道を登るときなどは音楽をかけて歌いながら走ります。歌うことで呼吸がしっかりできたり、リズムに合わせてペダルを踏めるので、音楽は欠かせません。スマホの中には『スバルライン』とか『霧ヶ峰』など、自転車用のプレイリストも作っています。今気に入っている曲は映画『君の名は』の主題歌にもなったRADWIMPSの『スパークル』。鳥や虫の声が聞こえる木漏れ日の道を、この曲をリピートしながら登っています」

Giroの自転車用ヘルメット

自転車に乗るときは街乗りやママチャリであっても必ずヘルメットをかぶるそう。「以前、サイクリングイベントに出たときに、雨で路面が濡れていたせいもあって落車したことがありました。顔にはケガを負ってしまったのですが、ヘルメットをかぶっていたおかげで頭は無事。そのときにヘルメットの必要性をすごく感じました」。このGiro以外にも自転車ヘルメットはいくつか持っていて、ファッションに合わせて選んでいるそう。

Moeko’sおすすめのサイクリングコース

ビーナスライン(長野県)

長野県の八ヶ岳から標高約2000mの美ヶ原高原を結ぶ全長約76kmの絶景ドライブウェイで、サイクリストにも人気のコースになっている。「私は霧ヶ峰を諏訪から自転車で登っちゃいますが、ここがずっと上り坂でキツいので、初心者なら霧ヶ峰高原のドライブインまでクルマで行き、そこで自転車を下ろして霧ヶ峰や車山高原、白樺湖あたりを走るのがおすすめ」とのこと。標高1600〜1700mあたりを走るそうだが、下り基調のアップダウンのあるコースなのでビギナーでもトライしやすい。頑張った先に絶景のご褒美が待っている。

西伊豆スカイライン(静岡県)

静岡県修善寺の西側の戸田峠から南の土肥岬までの約10kmを結ぶ、標高800〜900mの稜線を繋ぐ道路。富士山や駿河湾を望むことができる絶景ラインとしてサイクリストにも人気のコース。特に福田さんが気に入っているのは、達磨坂から西伊豆スカイラインに向かうコース。「富士山や沼津のほうまで見えて、景色がすごく綺麗なんです。山頂のスカイライン沿いにはトレイル(登山)に行ける登山口もたくさんあります。自転車が置ける場所があったら行きたいぐらい!」

海外に行けなくなったことで、日本の道の魅力に気付くことができた

海よりも山が好きという福田さん。自然が大好きで、鳥や虫の声を聞きながら木洩れ日の道を走るのがとても気持ちいいそう。また安全性の面でも海よりも山がおすすめと言う。「海沿いの道は渋滞することが多く、時には風が強くてハンドルを持っていかれることもあります。そういった点でも山のほうが安全に走れるかなと思います」

コロナ禍で気軽に海外には行けなくなったけれど、そのおかげで日本の道の魅力を知ることができたと言う福田さん、「イタリアにドロミテというサイクリスト憧れの峠があって大好きな場所なんですが、伊豆の城山に行ったときに『この山、ドロミテに似てる』って思って、それからはけっこう城山に通ってます」

福田さんのように何事もポジティブに捉え、乗りたいときに、乗りたいだけ乗ることで無理なく自転車を楽しめるかもしれません。日差しが和らぎ、澄んだ風薫る秋、自転車で走りだしてみませんか。

Moeko Fukuda | 福田萌子

Model/Sports Traveler

1987年6月26日生まれ。12歳からファッションショーやCMに出演し、現在はドラマやバラエティ番組など多方面で活躍する沖縄出身のモデル。趣味はロードバイク、トライアスロンで、adidas Global Ambassadorや、2018年にはWoman in Sports Award『スポーツを通じて社会貢献をしている女性』を受賞するなど、スポーツトラベラーとしてスポーツの素晴らしさを世界中に発信している。Amazon Prime Videoで配信中の恋愛リアリティ番組『バチェロレッテ・ジャパン』では初代バチェロレッテとして話題を呼んだ。

Photo: Takaaki Miura, Moeko Fukuda
hair & make Yuki Ishizawa

Editor’s Note取材メモ

  • 標高約2700mの「乗鞍エコーライン」までサイクリング!

    「やりたいことはすぐやっちゃうほうなので(笑)、秋に……というよりスケジュールやお天気の条件が合えば明日にでも乗鞍に行きたいです!」と福田さん。長野県松本市に位置する乗鞍は自転車で登れる最高地点とも言われ、サイクリングイベントのコースにもなっている「乗鞍エコーライン」の標高は約2700m。絶景が望めるドライブウェイでサイクリストにも人気の場所である。

Content Writing

Yuko Matsuzaki | 松崎祐子

バイク雑誌『MOTO NAVI』を中心に、クルマや自転車雑誌も手掛ける編集部に約12年在籍。その後、国内外の二輪四輪アパレルをセレクトするショップ「Motorimoda」でPRを経験。現在はフリーランスの編集ライターとして乗り物系メディアで執筆しながら、バイク女子のための情報web「バイク女子部通信」を運営。愛車はイタリアのモーターサイクルブランド、ドゥカティ・スクランブラー。 ツーリングやドライブが大好き。