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ホワイトニング、「インビザライン」矯正etc.美容歯科の最新事情

Reported by Madoka Natsume

2022.11.16

場所によってはマスクを外す機会が増えた昨今、改めて口元、とくに歯を気にしている人が増えている。歯の黄ばみ、歯並びの悩みを解消するために、美容歯科への関心が高まっているという。そこで歯科で行うホワイトニング、また「目立たず、痛くない」と人気のインビザライン矯正について、虎ノ門ヒルズ歯科・医科龍クリニックの龍信之助院長に話を聞いた。

マスクを外す機会が増え、美容歯科に通う人が急増中

マスク着用に関する政府の見解が見直され、場所や行動目的によってマスクの制限がだいぶ緩和されている。マスクを外す機会が増えた今、やはり気になるのは口元で、特に歯をキレイにしたいという人が増えている。

「リモートワークをはじめとした働き方の変化、人と会わない時間が増えたことで、口内環境にも変化がありました。例えば、私のクリニックでは虫歯治療がこの3年間でかなり増えました」と龍院長。

これは、時間を気にせずにだらだらおやつを食べたり、毎食後の歯磨きをサボっていることが大きい。歯科に久しぶりに通うきっかけが虫歯治療で、さらにホワイトニングや歯列矯正を希望する人もいるようだ。

「歯の治療以外でも、ホワイトニングや歯列矯正に関して興味を持っている方がたくさんいらっしゃいます。見た目の美しさを追求すると捉えがちですが、それだけではありません。歯列矯正は歯科治療ですから、歯並びが良くなることで嚙み合わせが治り咬合性外傷といった歯並びが悪いことで起こる歯のダメージを防ぐことや、歯磨きがしやすくなることが最大のメリット。また、ホワイトニングはキレイになった歯を保つために歯磨きも丁寧になることから、歯に対するプラスの意識変化が生まれます」

予想以上の白さに感動! 美容歯科のホワイトニング

年齢を重ねるとほうれい線が目立ってくるように、歯もエイジングによってじわじわと変化している。その最たるものが、歯の黄ばみ。個人差はあるものの、10年前と比べてもその違いは明らかだ。セルフケアではなかなか黄ばみをとることはできないので、歯科でのホワイトニングはかなり期待したいところ。

「歯科でのホワイトニングは強力な薬剤を使いますから、適切なホワイトニング効果が期待できます。通院しなくても自宅でできるホームホワイトニングもあります」

ホワイトニングは通院、または自宅で行える

ホワイトニングは、まず口腔内にトラブルのない状態で行うのが前提だ。口内のチェック・治療からスタート。虫歯や歯周病があってはできない。

「虫歯や歯周病がないかを確認し、必要があれば治療を行います。さらに、歯石除去をしてからホワイトニングが始まります。施術にはクリニックで行う『オフィスホワイトニング』と自宅でご自身が行う『ホームクリーニング』の2種類あります。どちらも専用の薬剤を使います。効果は変わりませんが、所要時間や維持期間に違いがあります」

<歯科で受けるホワイトニングの種類>

□オフィスホワイトニング特徴:薬剤を歯に塗布する。塗布している時間はおよそ20~30分。希望した色と施術後の歯の色を見比べ歯の色を確認して終了。
所要時間:1時間~1時間30分
費用:30,000円~
期間:3ヶ月程度間隔をあけて行うことを推奨

□ホームホワイトニング特徴:歯科と同じ薬剤を使い、自宅で行うホワイトニング。薬剤と作成したマウスピース 使い、8~10時間ほど装着する。
所要時間:2週間
費用:30,000円~

※効果の持続期間については食生活にもよるため、個人差があります。

■オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの比較即効性があるのはオフィスホワイトニング。ホームホワイトニングはクリニックに行く手間と時間を考えると自宅で好きな時間に行えるが、マウスピースの洗浄、薬剤の管理なども必要で、2週間毎日することが推奨されるため根気が必要だ。

歯科医が教える「市販のホワイトニング」のメリット・デメリットとは?

ドラッグストアや量販店などで気軽に購入できるホワイトニング歯磨き粉や美容液。歯科医から見ると、果たしてその効果の程はいかがだろうか?

「“歯を白くする”という概念をどのように捉えるかということだと思います。着色汚れや黄ばみといった歯の汚れを落とすには、ハイドロキシアパタイトを配合した歯磨き粉や研磨剤の多い歯磨き粉になるでしょう。ただし、歯科でのホワイトニングと同じ結果は得られませんので、施術後の歯磨き粉を選ぶ際の参考程度にしてください」

また取材での余談とはなるが、知覚過敏の症状があるなら「シュミテクト」がおすすめだそう。このシリーズにもホワイトニングのシリーズがある。

目立たない、痛くない。話題のインビザライン矯正とは?

マウスピース矯正の約90%シェア「インビザライン矯正」とは?

歯列矯正といえば、ワイヤーを使った矯正が一般的だったが、ここ十数年でマウスピース矯正も広く知られるようになった。龍院長のクリニックでは、マウスピース矯正専門で行っている。

「マウスピース矯正にもいくつか種類がありますが、そのほとんどがインビザライン矯正で、約90%のシェアがあります。アメリカで誕生した技術で、一人ひとりに合わせてドクターが治療計画に基づいてカスタムオーダーで製造する矯正装置です。2週間ごとに新しいマウスピースを交換しながら、ゆっくり歯を移動させます。1日20時間以上装着しますから、食事と歯を磨く以外の時間は常時装着しないといけません」

なお龍院長は、インビザライン矯正が日本に上陸していち早く導入したそうだ。

すべての歯の移動が可能で、10代から50代といった幅広い年齢層に支持されているそう。

□虎ノ門ヒルズ歯科・医科龍クリニックの治療の流れ

  • 1.カウンセリング
  • 2.検査
  • 3.データをとる
  • 4.治療計画・シミュレーション
  • 5.インビザライン前の虫歯治療、クリーニング
  • 6.矯正開始
  • 7.1、2カ月ごとに来院
  • 8.治療完了
費用:450,000円~(マウスピースの枚数による)
期間:14週~

インビザライン矯正の10のメリット

では、具体的にインビザライン矯正ではどんなメリットがあるのか。それはワイヤーによる歯列矯正に比べると快適さは明らかだ。

「ワイヤーによる矯正は、24時間ワイヤーをつけたままですから、歯磨きするのは難しいですし虫歯になってしまうケースが多い。また口内にもぶつかるので口内炎が頻繁に起きます。しかし、インビザライン矯正はマウスピースを用いた矯正のため、取り外しが可能で痛みや不快感もかなり軽減されます」

さらにインビザライン矯正は、矯正を始める前に結果のイメージがわかるそう。

「インビザライン矯正の場合は、コンピューター上で歯の動きをチェックするので、どのように歯が動くのか、どのくらいの期間で終了するのかをシミュレーションできます。これもワイヤーによる矯正ではできないことですね」

インビザラインのメリット

  • □マウスピースが薄く透明で目立ちにくい
  • □誤差の少ないマウスピースができる
  • □ワイヤー矯正のように痛くない
  • □装置に食べ物が詰まらない
  • □ホワイトニングと併用できる
  • □取り外しができる
  • □毎月、歯型をとらなくていい
  • □軽度の歯並び治療や部分矯正ができる
  • □歯磨きしやすい
  • □金属アレルギーをおこさない

インビザライン矯正は自己管理能力が問われる

痛くないし、見た目も目立たないインビザライン矯正。メリットしかないと思われがちだが、デメリットもあるそうだ。

「ワイヤー矯正の場合、歯科医が強制的にワイヤーを装着しますから自分で取り外すことができません。しかし、インビザライン矯正は自分でマウスピースを装着するので、取り外すことも自由です。つまり、1日20時間以上マウスピースをつけるかつけないかは、本人の意志によりますから、医者がコントロールすることはできないのです。インビザライン矯正は、しっかりルールを守れる、自己管理ができる人が向いています」

そして院長にもうひとつ聞きたいのが、ワイヤー矯正とインビザライン矯正のどちらが優れているのか? 仕上がりに差があるのか?

「よく質問されますが、これはどちらがいいというものではありません。ワイヤー矯正にしてもインビザライン矯正にしても歯を動かして矯正するという過程は一緒。仕上がりに差はなく、治療法やプロセスが異なります。さきほどもお話しましたが、ワイヤー矯正は強制的に歯を動かすのに対し、インビザライン矯正は自己管理しながら動かすということが求められます」

30代後半で3年がかりでワイヤー矯正をしたので、痛みやわずらわしさをよくわかっているだけに、インビザライン矯正は夢のような歯列矯正だと思う。しかし、龍院長がアドバイスするように、取り外しができるマウスピースはラクな分、甘えてしまうリスクもある。自分の性格、ライフスタイルに合わせて歯列矯正の種類を選ぶことが重要だ。100万円を超える高額な治療だけに途中であきらめるようなことはあってはならない。ホワイトニングに関しては、明日にでも予約したい気持ちでいっぱいだ。歯は見た目の美しさだけでなく、健康にも直結しているので大切にしたい。

Ryu Shinnosuke | 龍信之助

医療法人社団RMDCC  理事長
虎ノ門ヒルズ 歯科・医科 龍クリニック 院長

保険診療による虫歯、歯茎の治療はもちろん、インビザライン矯正、レーザーによる治療、インプラント、ホワイトニングなど世界基準の技術、設備による治療を行う。
https://www.rmdcc.com/

Photo: Chika Okazumi

Content Writing

Madoka Natsume | 夏目円

Beatuy Editor/Writer

大学卒業後、出版社で編集者を務めたのちに独立。20年間以上の間で3000件以上の取材・執筆を行う。美容を専門分野とし、20代から60代と幅広い年齢層の執筆・企画を行うほか、化粧品のコンセプト立案、コピー制作など幅広く行う。ヘアメイク、スキンケア、ダイエット、アロマ、フレグランス、ボディケア、ヘルスケアと幅広いジャンルに精通。2009年より『オールアバウト』にてスキンケアガイドを担当。時間のある週末は、『ひとり映画鑑賞会』と題して、カフェオレを片手にミニシアターで映画を観るのが楽しみ。