WELLNESS
身体も心もリセット。医師が教えるファスティングの効果
Reported by Yumiko Murata
2022.5.16
「ファスティング=ダイエット」というイメージが強いけれど、実はデトックスや組織の修復などさまざまな健康・美容効果が期待できると聞く。だがその一方、間違った方法で行うと、逆に健康を害することも…。今一度、正しいファスティングについておさらいしたい。Part1では、実際にクリニックでファスティングの指導をしている「まいこホリスティックスキンクリニック」の山崎まいこ先生が、ファスティングの目的、効果、正しい方法、注意点など解説。Part2ではセルフのファスティングにおすすめのファスティングドリンクを編集部がピックアップ。正しいファスティングの知識を身につけて、心身ともにリフレッシュしよう。
Part1 「正しいファスティング」について医師が解説!
「『ファスティング』とは『断食』を英語に訳したもので、消化に負担のかかる固形物を一定期間体内に入れないこと。アルコールやカフェイン、繊維の残ったスムージーや乳飲料も控えます」とまいこ先生。
ダイエット目的で行う人も多いが、いちばんの目的は胃腸を休めることだという。
「私たちは毎日食事をしていますが、食べたものを消化させるには、実は莫大なエネルギーを必要とし、胃腸に大きな負担がかかります。胃腸だけでなく、解毒をするために肝臓や腎臓など内臓がフル回転している状態です。ファスティングの大きな目的は、食べたり飲んだりすることをストップすることで、胃腸をはじめとする内臓を休めること。それによって腸壁が正常化され、食べたものが完全に消化吸収されて排便もスムーズになります。腸内環境が整うと、食べる量と排出のバランスがとれてくるので、結果ダイエットにもつながります。『断食=ダイエット』のイメージが強いのはそのせいでしょう」
肌荒れや睡眠不足の解消も! さまざまなファスティングの効果
実際にファスティングをするとどんな効果が得られるのだろう。
「まず体感するのは、むくみがなくなって体全体が軽くなります。舌がリセットされることで、甘いものやグルテンの欲求が減り、薄味でも満足できるようになり、食事をコントロールしやすくなります。美容面では、肌の乾燥が和らぎ、炎症が落ち着くので肌荒れの改善も」。また、睡眠にも影響があるという。
「慢性的に消化不良が起きていると、寝ている間でも胃腸に負担がかかってしまいます。結果、睡眠の質が落ちてしまう。ファスティングで胃腸を休めることで睡眠の質は各段に上がります」
そのほか腸内環境が整い、一定の空腹時間をつくることで傷ついた細胞などが正常に分解されるなどして血液が浄化され、免疫力も向上。全身の臓器が休められ、機能が改善する効果も期待できる。全身の細胞の代謝が上がり、体はもちろんのことメンタル面でもリフレッシュするそう。
「ファスティングはすべての人におすすめですが、特に不調を抱えている方のほうが効果を実感しやすいですね。私のクリニックは皮膚科になるので、ニキビやアトピー性皮膚炎などの肌トラブルを抱えている方におすすめしています。また胃腸に不調を抱えている方にもよいでしょう」
特に不調を感じていなくても、パーティシーズンや旅行で食べすぎたあとのリセットや、大切なイベントを迎える前の肌ケア、花粉シーズンなどのアレルギー対策にも効果的だ。
正しいファスティングの方法を山崎まいこ先生が解説
「ファスティングで大切なのは、前後の準備食と回復食。例えば1日ファスティングをするときは、その前の準備食に1日、後の回復食に1日…と同等の日数を設けます。クリニックでは、1日断食トータル3日のショートコースと、3日断食トータル9日のしっかりコースを奨励しています」
正しいファスティングの流れ
①準備食
動物性タンパク質、乳製品、白砂糖を含むもの、アルコールはとらない。食事は腹八分目を心がけ、夜からデトックスジュースを飲んでおなかを慣らす。
②ファスティング中
午前中にデトックスジュースを飲んで、腸を活発に動かして排出を促す。固形物は食べずに酵素ドリンクなどで過ごす。
③回復食
おかゆ、お味噌汁、くたくたに煮た野菜など赤ちゃんの離乳食に近いものを食べる。硬いものは避ける。
「健康な方はワンシーズンに1度はファスティングするのが理想。不調を感じる人は準備食3日、ファスティング3日、回復食3日の9日間コースをおすすめします。デトックスジュースを飲むとかなり排泄するので自宅にいられるときに行ってもらいます。また回復食がきちんとできないとファスティングの効果が十分に得られません。準備のできる環境であることが大切です」
ファスティング中の注意事項は「無理をしないこと」
「ファスティング中はエネルギーを無駄に使わないことがポイント。外出は意外と疲れるのでできるだけ控えましょう。ハードな運動はもってのほかです。また冷えやすくなるので、できるだけ入浴をおすすめしますが、長風呂は体力を使うので避けましょう」
どうしても空腹感を我慢できないときは、酵素ドリンクを多めにとるのがポイント。お味噌汁の汁だけなら飲んでも大丈夫だそう。自分の体調をみながら進めるのが大切だ。
ただファスティングしたいけれど、仕事の関係で何日も自宅にいられない、回復食の準備に自信がない…という人もいるかもしれない。そんな人は、普段の食事を続けながらプチデトックスできるこちらのファイバーを。
「ファスティングをしなくても腸のお掃除ができる10日間のプログラムサプリメントです。毎日の食生活を変えることなく取り組めるので、食事制限が難しい人や忙しい方にも気軽にお使いいただけます」
ファスティングは誤った方法ですると健康や美容効果を損なうだけでなく、低血糖になってヘロヘロになってしまうことも…とまいこ先生。特に初めて行う人や体調の悪い人は、一度クリニックに相談してみるのが安全だ。自分に合った正しい方法で行うことで心身の健康を目指そう。
Maiko Yamasaki | 山崎まいこ
Maiko Holistic Skin Clinic Director
まいこホリスティックスキン クリニック院長。皮膚科医。勤務医として形成外科医、皮膚科医、美容皮膚科医として務め、2017年東京・代官山にクリニックを開業。ホリスティックな視点から、外側の治療だけでなく、身体の内側、腸内の健康、心のあり方までサポートし、真の健康と美しさを追求している。オーダーメイドで患者に寄り添う医療には定評があり、各界著名人やビューティー関係者からの信頼も厚い。様々なアイテムの揃うECサイト「まいこホリスティックオンライン」の監修も務める。
https://mhs-cl.com/
Photo: Hisai Kobayashi ,Getty Images
Part2 話題のファスティングドリンクを編集部がセレクト
一度ファスティングを体験すると、その効果のすばらしさに定期的にはやらずにいられなくなる人も多いと聞く。準備食や回復食もマスターし、正しいファスティングを心得ている人向けに、おすすめのファスティングドリンクをピックアップ。名品からきめ細かいサポートアイテムも用意した注目のドリンクでデトックスしよう!
1.NOUN MINERAL DRINK
──ミネラルたっぷりの酵素ドリンク、サポートアイテムも充実!
75種類以上の旬の食材と天然の野草を長時間熟成し、さらに数十種類の植物性乳酸菌と酵母を配合。ファスティング中にとりにくいタンパク質やビタミン、ミネラルなど必要な栄養素をしっかり補給することができるドリンク。2日、3日、5日のコースがあり(写真は5日)、ミネラルドリンクのほかにAMINOUN(20種類のアミノ酸)、NOUN-C(ビタミンC)、NOUNTEA(黒豆、ダンデライオン、ルイボスをブレンドしたオリジナルティー)などのサポートアイテムも含まれる。さらに3日、5日コースは事前カウンセリングとファスティング終了まで、LINEでのやりとりで気楽にサポートが受けられるほか、回復食キット(別料金)のサービスも。初心者でも安心してファスティングができる内容。
2.ハーブザイム 113 グランプロ プレーン
──酵素原料を98%濃配合したハイクラスの植物酵素飲料
産地と鮮度にこだわった113種類のハーブ、野菜、果物、海藻、キノコ類、穀物を、天然有用菌が棲みついたヒノキ樽を用いた伝統製法により、ダブル発酵させた酵素ドリンク。一般の酵素飲料はオリゴ糖エキスや果汁などにより希釈されたものが多いといわれているなか、こちらは酵素原液を98%も配合。それでいて発酵臭をしっかりマスキングし、フルーティで飲みやすい味を実現している。1食置き換えのほか、1日、3日ファスティングなど、目指す目的やゴールによって飲むタイミングを提案。管理栄養士やプロカウンセラーによるサポートも充実している。
3.スーパーオータカ
──独自の伝統製法とこだわりの品質を誇る老舗酵素ドリンク
80年以上続く大高酵素だけの伝統的製法により、北海道産原料を主体とした50種にも及ぶ原料植物を、発酵微生物が棲みついた杉樽で180日間以上自然発酵・熟成させたドリンク。人の消化過程とほぼ同じ工程で生成されているので消化負担が少なく、速やかに吸収されるのが特徴。ファスティングドリンクとしてはもちろんのこと、体調不良で食欲のないときの代用食や腸内環境を整えたいときなどにもおすすめ。漢方薬を煎じて飲んだときのようなクセのある味だが、それは添加物や人口甘味料を含んでいない証拠。おいしさよりも栄養があるものを飲み続けたい人におすすめ。
Content Writing
Yumiko Murata | 村田由美子
Beauty Editor
元『ELLE』ビューティ ディレクター。ファッション誌のビューティ担当を20年以上続け、フリーランスに。『エル・ジャポン』『エル・オンライン』のほか美容誌などでも執筆。食べることと赤ワイン、南の島をこよなく愛し、美容に悪いと思いつつもバカンスでは太陽をたっぷり浴びている(その分ケアもしっかりしています笑)。趣味はダイエットと歌うこと。