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FOOD

年末年始も贅沢気分! プロが選ぶ2023年「お取り寄せ豪華おせち」の決定版

Reported by Kaori Ezawa

2022.10.17

秋も深まってきたところで、そろそろおせちの予約をしなくては。年々趣向を凝らしたバラエティ豊かなおせちが登場し、どれにしようかと楽しい悩みは増えるばかりだけれど、そんなときの頼もしい味方! 「婦人画報のお取り寄せ」編集部でコンテンツ制作を統括する高村由紀子さんに、おすすめのおせちを厳選していただいた。そして意外と知らないおせち料理の基礎知識について、日本の食文化に詳しい編集者でライターの澁川祐子さんにわかりやすく解説していただいたので、併せてご紹介。

おせちの由来、そして料理に込められた思いとは

近年はコロナ禍の影響で、おせち料理を提供するレストランが増えたこともあり、近所の中華料理店やフレンチビストロのおせちなど、ひと味違うおせちを試すのがお正月の楽しみになっている、と話す澁川さん。おせち料理の由来について伺ってみた。

「おせち料理は、節句のお供え『御節供(おせちく)』がルーツとされています。ひな祭りや七夕など季節の節目となる節句に、感謝をもって神様に捧げたお供え物をみなで食べ、その加護を願う神人共食の行事でした。それが江戸時代後期になり、五節句のうちで最も大事な、新しい一年を司る年神様をもてなすお正月の料理を指すようになりました」

おせち料理といえば、お重に詰めて出されるのが一般的。お重を何段か重ねることは「福が重なる」という願いが込められているのだとか。このお重の一段一段にも決め事があるという。

「現在、おせち料理は、完全を表す数字『三』に、さらにもう一つ幸を重ねる四段重ねが正式とされています。『一の重』には『口取り』、『二の重』には『めでたい』に通じる鯛などの焼物、『三の重』にはなますなどの酢の物、『与の重』(四は死を連想させる不吉な数字とされるため)には煮物を詰めます。『口取り』とは、もてなしのお膳の最初に出てくる酒の肴のこと。なかでも欠かせないのは、江戸時代から正月料理の定番として重箱に詰められていた『三つ肴』と呼ばれる料理。関東では黒豆、数の子、ごまめ、関西では黒豆、数の子、たたきごぼうが定番です」

「三つ肴」に、込められた意味とは。

黒豆…「マメに暮らせるように」という健康長寿を祈願。
数の子…ニシンの卵。ニシンは多産であることから、子宝や子孫繁栄を祈願。
ごまめ…カタクチイワシの稚魚を干したもので「五万米」と書き、五穀豊穣を表す縁起物。田んぼの肥料となることから「田作り」とも。
たたきごぼう…地中深くに根を張ることから、家内安全を願う。また叩いて開くことから開運の意も。

「上記の三つ肴に、きんとん、かまぼこ、伊達巻といった口取りが加わるのは、明治時代以降のこと。さらに、現在のようなスタイルが全国的に普及したのは戦後とされます。おせち料理は、もとはといえば年神様へのお供えを、健康や五穀豊穣、家内安全といった願いとともにいただくもの。その思いを心に留めておけば、あまり形式にこだわらなくてもよいのではないでしょうか」とのこと。何よりもおせちはお祝いの膳としてシンプルに楽しむことが大切。そこに込められた願いを思いながら、周りに感謝しておいしくいただくことで、きっと良い新年が迎えられるはず。

Yuko Shibukawa | 澁川祐子

ライター、編集者

ライター、編集者。食文化や工芸を中心に執筆、編集を手がける。著書に『オムライスの秘密メロンパンの謎 人気メニュー誕生ものがたり』(新潮文庫)、編集・構成に山本教行著『暮らしを手づくりする 鳥取・岩井窯のうつわと日々』(スタンド・ブックス)など。現在、「サイゾーpremium」にて「味なニッポン戦後史」を連載中。
Twitter: https://twitter.com/y_shibu

日本の伝統文化、おせち料理を豪華でモダンに楽しむ

「婦人画報のお取り寄せ」編集部が2022年6月に「来年のお正月のおせちの意向」に関するWebアンケートを20〜69歳の女性1,073名を対象に行ったところ、おせちの購入予定先は「オンラインショップ」が47%とトップに。おせち購入予算の平均額は29,964円と昨年よりも5,000円くらい高い傾向だった。オリジナルおせちの企画開発・販売に9年間関わっている高村さんによると、このようなお客さまアンケートを参考に、バイヤーが1年がかりで取り組んでいるという。

「試食もすべて行い、時代のニーズに合ったおせちを作っています。近年のトレンドは『国産素材のおせち』や『少人数のおせち』。さらに『大晦日用にごちそうを用意したい』『年末年始向けにカジュアルに楽しめるオードブルを購入したい』といった回答も多く、そういったご要望にお応えしたおせちを豊富に取りそろえています」と高村さん。今回はその中から厳選していただいたおせちを以下にご紹介。

選び抜かれた国産素材を
ふんだんに使用した贅沢おせち

婦人画報のプレミアムシリーズはすべて厳選した国産食材を使用し、リピーターも多い定番人気商品。一つひとつ素材を厳選し、丁寧に手をかけて作られており、蓋を開けた瞬間に気分が高揚し、胸が高鳴る。

「貴重な五郎島金時を使用した『五郎島金時の渋皮栗きんとん』を始め、日本海でとれた蟹を使用した『蟹の土佐酢ジュレ』や、一つひとつ手作業で松葉に刺した『丹波産黒豆金箔』など、日本各地のこだわりの素材をご堪能いただけます。お一人様でお召し上がりいただくことはもちろん、他にもごちそうを用意して伝統的なおせちを少量だけ味わいたい、という方にもおすすめです」(高村さん)

夫婦ふたりでちょうど良いボリュームのプレミアムな二段重

こちらは同じくプレミアムシリーズの2人前サイズ。ご夫婦など、少人数で食べるのにちょうど良いボリュームで、日本各地の贅沢な素材をふんだんに使ったこだわりのおせち。上質な海の幸が豊富なことも嬉しい。

「長崎県産の『鰤とろ西京焼』や国産の『甘鯛柚庵焼』といった海の幸をふんだんに入れています。また、『丹波産黒豆』をもっと食べたい! というお客さまの声に応え、今年はボリュームアップしてご用意いたしました。さらに、あえてブロックのままセットしたローストビーフは、いただく直前にお好みの厚さにスライスしていただくことで、新鮮で柔らかい肉質のまま、おいしくお召し上がりいただけます」(高村さん)

家族でワイワイと、
パーティにもぴったりな
豪華ラインナップ

大晦日や年始にみんなで囲んで楽しめる「豪華オードブル重」は毎年大人気のおせち。子どもから大人まで誰にでも喜ばれ、テーブルがパッと華やぐ。彩り豊かで心も晴れやかな気分に。

「今年はすべての品目を試食しなおし、新たに新商品を追加してリニューアル致しました。バジルの香る『イカのジェノベーゼ』や、コリッとした食感が楽しめる『ツブ貝のチリマヨソース』などの洋風な味付けは、ワインやシャンパンとの相性もバツグン! 小さいお子さまから大人の方までご満足いただけるバリエーション豊かな味付けがポイントです。大晦日の年越しカウントダウンや、お正月の来客用に用意しておくとテーブルも華やかになり、ごちそうの準備も楽なのでおすすめです」(高村さん)

和洋中を絶妙なバランスで
ミックスした、満足度大の
欲張りおせち

和風・洋風・中華の三段で45品目入っているという贅沢なボリューム。様々な味わいを楽しめて、飽きることなく満足感の高いおせち。さらに一部はレンジで温めOKなど、気の利いた細やかな配慮も。

「最後まで飽きずに楽しめるというお声を毎年頂戴しております。和洋中のなかでも特に中華の重が毎年人気です。中華の重の一部のお料理はレンジで温められる容器に入っているので、直前に温めてからお召し上がりいただけるのがポイントです。大晦日はカジュアルに『洋風オードブル重』と『中華おせち重』を囲んで、新年はお祝いの席に合わせて伝統的な『和のお重』をお召し上がりいただくなど、食べるシーンによってお重を分けて解凍するのもおすすめです! 冷凍おせちは一般的なおせちよりも日持ちするので、お重ごとに解凍日をずらせるのも、婦人画報オリジナルおせちの魅力です」(高村さん)

ミシュラン三つ星の美意識が詰まった、極みの二段重

高級料亭が軒を連ねる東京・神楽坂で、石畳の路地の奥にひっそりと、凜とした佇まいで店を構える「神楽坂 石かわ」。美食家がこぞって訪れるミシュラン三つ星の料亭。全国から集まった最上級の素材に手間の限りを尽くした、祝いの席にふさわしい至高の逸品。

「婦人画報の本誌で昨年夏より1年間連載し、お取り寄せ編集部とも毎月連動して商品を販売していた、大変ゆかりのある料亭です。そのご縁から今年で2年目のお取り扱いとなります。予約は1~2年待ちと言われるほどの人気店。なかなか予約の取れない星つき料亭の味を楽しめるおせちです」(高村さん)

おもてなしの心が伝わる、華やかで洗練された加賀伝統料理

金沢の地に開業した歴史ある旅籠をルーツに持つ「赤坂 浅田」。古き良き日本文化を大切に、伝統を重んじながら、新たな革新への努力も惜しまない加賀料理を継承。金沢から取り寄せた極上の海の幸、山の幸が彩り豊かなおせち。

「今回新登場の東京・赤坂にある料亭のおせち。伝統的な加賀料理の料亭で、干口子(ひぐちこ)や巻海老鉄扇玉子、紅白餅花真丈など、加賀らしい一品を詰めた、他にはない粋で華やかなおせちです」(高村さん)

京都らしさを存分に味わえる、見目麗しき三段重

京都の中心街、錦市場と堺町通りが交差する一角に店を構える「じき宮ざわ」。手間暇を惜しまず、食材に真摯に向き合い、素材の持つ力を最大限に生かした、五感の喜ぶ料理を提供する。2009年以降、ミシュラン一つ星を獲得し続けている。「大心」という商品名は宮澤シェフが命名し、不動心、大海のような広い心を表した禅宗の教えから取ったもの。

「婦人画報限定で、お取り寄せ編集部と宮澤シェフで一緒に作り上げました。ロングセラーでリピーターも多く、長く愛されているおせちです。お店のコースメニューの中でも『からすみ蕎麦』が人気で、その自家製からすみを特別におせちに入れていただきました」(高村さん)

多種多様で魅力にあふれたおせち料理。どれを選んで良いのか、ますます迷ってしまいそうだが、最後に高村さんに選び方のコツについても伺ってみた。

「まずは人数でセレクトしていくのがわかりやすいと思います。あとは『和風』だけなのか、『和・洋』なのか『和・洋・中』『洋風』なのか、一緒に召し上がる方の好みに合わせてみてはいかがでしょうか」

「婦人画報のお取り寄せ」では、「おせち診断」コンテンツも用意している。おせち選びに迷ったら、こちらをチェックしてみては。

Yukiko Takamura | 高村由紀子

Content Marketing & PR Associate, Marketing Section Fujingaho no otoriyose Department

ハースト婦人画報社婦人画報のお取り寄せ事業部 コンテンツマーケティング&PR担当。開設11周年を迎えた、スイーツ、グルメ、ギフト、雑貨などを販売するオンラインショップ「婦人画報のお取り寄せ」のコンテンツ制作を統括。プライベートでは素材の味が生きている食べものと調味料、そして気張らない酒場と韓国料理をこよなく愛する。
婦人画報のお取り寄せ

Content Writing

Kaori Ezawa | 江澤香織

Editor&Writer

フード、クラフト、トラベル等を中心に雑誌、WEB、広告等で執筆。企業や自治体と地域の観光促進サポートなども行う。著書『青森・函館めぐり クラフト・建築・おいしいもの』(ダイヤモンド・ビッグ社)、『山陰旅行 クラフト+食めぐり』『酔い子の旅のしおり 酒+つまみ+うつわめぐり』(マイナビ)等。旅先での町歩きとハシゴ酒、ものづくりの現場探訪がライフワーク。お茶、縄文、建築、発酵食品好き。
Instagram:https://www.instagram.com/caori_ez_japon/