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EXERCISE

「本来の自分の骨格」こそ一番美しい。KAORUさんに学ぶ、ボディと心の整え方

Reported by Mika Hatanaka

2021.2.15

女優やモデルはもちろん、ヘア&メイクやスタイリストなど美のプロたちから絶大な信頼を集めるフィットネススタジオ「STUDIO Apro」。主宰のフィットネス・クリエイティブディレクターのKAORUさんは“予約の取れないパーソナルトレーナー”として知られる。世の中が新しいライフスタイルを模索する中、彼女に会って、今一度自分の体との向き合い方を考えてみたい。

緩めてあげること。それだけでどんな体も変わっていける

30代になっておなかまわりの肉づきがよくなった、アラフォーになったとたんに痩せにくくなった、など……。ついつい、年齢を言い訳にして、体の変化をなかば諦めるような気持ちで受け入れてしまいがち。けれども、KAORUさんにお会いして、「私も変われそう!」——そんな、未来へのワクワク感を覚えた。

お会いして驚いたのが、KAORUさんの首から肩のラインの美しさ! 筋肉の動きがはっきりわかるほどに無駄なお肉はナシ。だけどしなやかなハリ感や、女性らしい丸みを帯びていて、もはや理想的! 肩甲骨の可動域は心の可動域につながる——とある業界のすてきな先輩に教えてもらった言葉を思い出した。

KAORUさんが主宰する東京・表参道の「STUDIO Apro」は、ピラティスを軸としつつも、独特の視点と手作りのトレーニングを提案していることで知られる。例えば近年、テニスボールを使った筋膜リリースのメソッドでさまざまなメディアに取り上げられた。

「自分自身の一番いいポジションに骨格を戻してあげること——それこそが、健やかに美しく生きていくために大切なことだと思うんです。ただ、私たちは、毎日の習慣だったり、姿勢のクセだったりで、どうしても本来の骨格からずれてしまっていることがほとんどです。私がレッスンやアカデミーを通じて発信しているのは、ご自身の一番美しいポジションに骨格を戻してあげるためのメソッド。

体の使い方は人それぞれ違いますし、トレーニングといっても、筋トレが好きな人もいれば、バレエやピラティスが好きという人もいます。トレーニングによって体の使い方も違いますが、どんなときも共通していえるのが、“まずは筋肉を緩めましょう”ということ。緩めてあげることで、筋肉は本来の柔軟性を取り戻しますし、それがトレーニングの効率アップにもつながるんです。体づくりの基礎の基礎になる部分だからこそ、何歳から始めても遅くはない、そう思うのです」

KAORUさんのメソッドに欠かせないのがテニスボールによる足裏のほぐし。ほぐすことで血流がよくなって冷えがなくなるのはもちろん、冬場でも乾燥知らずのふわふわの肌になれるのだとか!

年齢は関係ない。何歳からでも変わっていける

実際、KAORUさんがベースとなる“テニスボールメソッド”を確立させたのは、50代に入ってからだとか。

「子どもの頃からバレエをやってきたし、体を動かすことが大好きでした。それもあってか(笑)明るい性格だとは自負しています。だけど、出産や子育てを経て40代に入ってからは、体がなんとなく冷えていたり、いつも眠かったり、“毎日動いているのにどうして!?”という感じの不調が、隣り合わせで……。体を使いすぎていることが原因だというのはぼんやりとわかっていながらも、だからこそ、コアにアプローチしたり、瞑想や吐くことの大切さにフォーカスするなどして、動いて整えていましたが、やっぱり改善されなくて……。このままいくと明るい性格も鬱っぽくなってしまうのでは?なんて思ったこともありました。

そんなとき、知り合ったカナダ人のピラティストレーナーが私の体を見て、教えてくれたのがテニスボールでした。『KAORUの体は硬さが邪魔してピラティスができる体じゃないから』って。そのときは51歳、緩めることで、こんなに体って使いやすく変わるんだ!って初めて実感したんですよね。そこからは、自分の体を使って人体実験(笑)。これまでインストラクターとして学んできた骨格や解剖学の文献と、体を使った人体実験を照らし合わせて、ひとつひとつ言葉にしていく作業をしていきました」

日本にエアロビクスが入ってきた頃、真っ先にその扉をたたいたのだとか。エアロビクスのインストラクターを経て、全日本エアロビクスチャンピオンシップの初代優勝者という華々しい経歴も!

そして2017年にピラティスやテニスボールを使った筋膜リリースなどを体系化し、人材育成のためのアプロアカデミーを設立。さまざまなバックグラウンドを持つトレーナーが、KAORUさん自身の体験や経験を通して確立された“生きたメソッド”を学び、広めている。

「自分自身が正しいポジションで過ごしていれば、自然と気持ちだって健やかな状態で生きていける。私自身の体験を通じてそう思います。私の役割は、この体を通して体験したことをもっと皆さんに発信して伝えていくことだと感じ始めています。それはトレーニングに来てくださるお客さまに対してはもちろんですが、同業者に対してもいえること。私自身が、エアロビのインストラクターやパフォーマーとして体を酷使してきたからこそ、体をなりわいとしている人たちにも、緩めて体を戻す大切さを知ってほしいな、って思うんです」

最新著書『テニスボールダイエット』(幻冬舎)は、体を効率よく使うための最新メソッドが満載の一冊だ。

骨のゆがみを解消すれば気持ちも、美しさも整っていく

KAORUさんのお話を聞いていて感じることは、体と心はつながっているというのは、本当だったのだ!ということ。快活でポジティブな話し方や、決して押しつけがましくないのに揺るぎない雰囲気は、KAORUさんの体そのもののような気がしてくる。

「体ってその人の環境であり性格そのものなんですよね。背骨が歪むとイライラしたり卑屈になったり、心までゆがんできちゃうもの。だからこそ、自分でつくることが大切だし、それは美しさにつながっていくと思っています。人はどうしたってゆがんでしまうものだからこそ、ラジオ体操みたいにほぐすことの大切さを小学校で教えてほしいくらいです(笑)。そうやって、ポジティブなエネルギーを発散する人が増えていけばいいな、と思うんです」

実際、KAORUさんが主宰する「STUDIO Apro」は、パーソナルトレーニングが基本。しかしながら、コロナ禍という状況をきっかけにYOUTUBEの配信やZoomでのオンラインレッスンなどもスタートした。

「これまでマンツーマンでしかできないと思っていたことが、コロナ禍という状況を経て、もっと広がりを持つようになったんです。昔一緒に仕事をしていたパフォーマーたちとコラボレーションしたりして、また関係性がつながっていくのも面白いんですよね」とKAORUさん。新しいチャレンジをするのはもちろんだけれど、それを楽しみ、そこにハッピーを見いだしているところは、心のしなやかさそのものではないだろうか。

年齢でその人を判断したり、何かを測ることは、風の時代ともいわれる2021年にはナンセンス。けれども、KAORUさんのお話を伺って感じたことは、「何歳からでも変わっていける、年齢は関係ない」という事実。もうすぐ60代に突入すると話すKAORUさんの体は、適度な筋肉がつきながらも弾力があるような印象。例えるのなら、ストローで空気を入れるゴムボールみたいな……。しなやかだけど、はね返す力をしっかり備えた、そんな柔軟性のある体の持ち主は、心も使命感とチャレンジ精神、ワクワク感に満ちている。体を整えることで心もついてくる——そんなふうに感じずにはいられない。

KAORUさん直伝! 
ポジティブな心が開花する!
朝晩の習慣にしたい
テニスボールリリース

  • テレワークが増え、出歩く機会がこれまでよりも減ったという人も多いはず。そこで、2021年ぜひ毎日のルーティンとして取り入れたい筋膜リリースを教えていただいた。デスクワークの合間や、朝晩の習慣にぜひ取り入れてほしい。

  • 朝晩の習慣にしたい! 足裏とふくらはぎほぐし

    1. ① テニスボールを足裏の母趾球を中心とした指の付け根でテニスボールをつかみ、指をグーパーと曲げ伸ばしを10回。最初はなかなか足指が開かない人も多いはずだが、続けていくうちに少しずつできるように。

    2. ② 次に足裏のかかと寄り部分でテニスボールを踏みつけ、足指の骨をたどるようなイメージでボールを踏みつけながら前に転がす。親指側から小指側まで5本の縦線を描くイメージで。続けるうちにボールがコロコロしなくなるように。

    3. ③ 床に脚を伸ばして座り、ふくらはぎの下にボールをセット。もう一方の足を重りにし、親指を伸ばしながら足首から膝下へ向かってボールでコロコロする。最初はかなりの激痛だが、一日の終わりにやると足のむくみがスッキリ!

  • 猫背改善! 首をスッキリ見せる効果も! PC作業の合間に取り入れたい! 肩&鎖骨ほぐし

    1. ① 肩こりの原因となる僧帽筋にテニスボールを当て、手のひらでコロコロさせながらほぐす。肩甲骨を回すなどしてストレッチしながらさするとやりやすい。

    2. ② 大胸筋まわりをほぐす。ブラジャーのストラップの付け根を目安にボールを当て、手のひらで円を描くようにボールをコロコロと。右回りと左回りを均等に。

    3. ③ そのままボールを鎖骨下に転がし、内から外に向かってコロコロする。マスク生活で前かがみになりやすい姿勢をリセットし、首まわりのハリをほぐす効果が。

  • 憧れのぷりっとヒップになれる! 骨盤まわりのほぐし

    1. ① お尻の下にテニスボールを入れ込み、肘をつきながら体重をテニスボールに預ける。ボールでお尻のほっぺた部分をマッサージするようにお尻を左右に回すように動かす。

    2. ② 太もも裏のハムストリング下にボールを入れ込み、上下にコロコロするようにしてマッサージする。ヒップアップを阻害しているのは、実はハムストリングの硬さだったりするため、お尻のほぐしと太もも裏のほぐしはセットで考えるのが正解。椅子に座った状態で行う際には、膝を伸ばすと深い筋肉を捉えやすくなる。

パーソナルパワープレート®は
KAORUさんが
提唱するリリースを
効率的に迅速に実現します

    1. 「パーソナルパワープレート®」は、世界のトップアスリートやセレブが愛用する「パワープレート®」の家庭版。日本ではプロ野球、Jリーグなどのトップチームが採用するほか、医療機関でリハビリにも導入され、短時間で効果が得られるエクササイズとして高い評価を受けている。

      最近のリモート勤務では、自宅のリビングで仕事をしている人も多いはず。長時間座るために設計されたオフィスチェアとは違うため、背中や腰の筋肉が凝り固まってしまいがち。KAORUさんが提唱するリリースをさらに効率的に迅速に実現してくれるのが、この「パーソナルパワープレート®」。

      パーソナルパワープレート®は、独自のテクノロジー「3次元ハーモニック振動®」を採用。1秒間に25〜50回の高速振動で、全身に負荷をかけ、短時間で効率的なエクササイズをすることができる。この上でテニスボールリリースをすれば、効果も高まり時短にも!リモートワークの合間に疲れを感じたら、1回30秒から始めてみませんか?

      パワープレートの詳細はこちら

    2. 「パワープレート® パルス」は、トレーニングや長時間のデスクワークで疲れがたまった筋肉に刺激を与え、スムーズな体の動きをサポート。振動数は4段階コントロール可能。先端のアタッチメントは 6 種類あり、部位ごとに使い分けることができる。

      また、仕事中は席を立つのは難しい…という方にはお手軽に使える「パワープレート® パルス」がオススメ。椅子に座ったままで、肩や腰などの疲れがたまった筋肉に刺激を与え、筋肉を緩めてくれる。

      パワープレート パルスの詳細はこちら

KAORU | カオル

Fitness Creative Director

アプロアカデミー主宰、フィットネス・クリエイティブディレクター。1987年度全日本エアロビクスチャンピオンシップ初代トリオ部門優勝。37年に及ぶフィットネス指導者生活の中で、バレエ、エアロビクス、ダンス各種、ヨガ、ピラティス、加圧など幅広いジャンルに精通。人体の動き、姿勢に関する分析をあらゆる観点からホリスティックに行う独自のメソッドが定評。
STUDIO Apro https://tsapro.co.jp/

Photo: Sadato Ishizuka

Editor’s Note取材メモ

  • 眠れないときのCBDオイルと入浴が元気の源

    コロナ禍でオンラインレッスンなども積極的に配信しているKAORUさん。朝8時から夜の10時までみっちり仕事という日もよくあるのだとか。そんな多忙な中でも、6時間以上の睡眠と入浴は欠かさないそう。寝つきの悪い日などは、代官山の美容クリニック・まいこホリスティックスキンクリニックで購入している「CBD OIL MED900」を取り入れたりしているのだとか。

Content Writing

Mika Hatanaka | 畑中美香

Beauty Writer

『25ans』などの雑誌・WEBメディアでも執筆。ファッション誌のビューティ担当を経てフリーランスに。ビューティ&ヘルスを中心に、雑誌や広告のほか、書籍のディレクション&ライティングも。旅とビストロ、占い、カフェでボーっとすることが欠かせない。赤リップとその日の気分に合った精油が必須アイテム。