BEAUTY
“エンビロン肌”への第1ステップ! 健やかな秋肌のための正しい洗顔とは
Reported by Yumiko Murata
2021.10.15
紫外線やエアコンによる乾燥、夏冷えなど、美容にとって過酷な夏が過ぎ、清々しい気候の秋がやってきた。でも安心するのはちょっと待って! 夏のダメージを肌に残したまま、空気の乾燥が進んだ秋を迎えるのは、美容的には決して歓迎できないこと。今、肌はどんな状態なのか、そして理想のエンビロン肌をキープするために必要なスキンケアは何なのか……エステティシャンの資格をもち、トレーナーとしてエンビロンのトレーニングに当たっている高橋美希さんが徹底的に解説してくれた。毎日当たり前のように行っているスキンケアだが、いったんひと呼吸おいて、エンビロン肌のために今すべきことを見直してみよう。
秋になったら集中保湿!? いいえ、その前にすべきことがある
「季節の変わり目は肌がゆらぎやすいものですが、夏から秋にかけてはさらに注意が必要です」と高橋さん。エステティシャンとして多くの女性の肌をケアし、またここ十数年はエンビロンのトレーナーとして取扱店向けのトレーニングに当たっている、言ってみれば“エンビロン肌”を育てるエキスパートだ。
「秋になると湿度が下がり、空気が乾燥するので、肌も乾燥します。だから保湿ケアを入念に行う人が多いでしょう。これはとても大切なことで、特にエンビロンでは保湿とともにビタミンをしっかり補うことをおすすめしています。でも、それは肌の準備ができていることが前提です」
高橋さんの言う“肌の準備”とは、夏に受けたダメージのケアのこと。
「ご存じのとおり、肌のターンオーバーは健康な肌で約28日間。夏に受けたダメージが本格的に現れてくるのは、暑さが落ち着いた1カ月後のまさに今。秋の肌は紫外線ダメージによる肌のゴワつきやザラつきがあるなかで、気温と湿度の低下によって皮脂分泌が下がり、肌の乾燥が進行しやすい状態。もともと角質が普段より厚くなっていた肌に乾燥が進むと、キメが乱れて肌はさらにゴワゴワと硬くなってしまいます。硬く固まってしまった土に水や栄養分を与えてもきちんと行き渡らないように、乾いてゴワついた肌に水分やビタミンを肌に与えても、きちんと浸透させることはできません。まずは、ゴワつきの原因、古い角質には適切なケアと洗顔が必要です」
今こそ、真っ先にすべきは“プレクレンジング”
「夏のダメージで厚くなってしまった古い角質や、毛穴の汚れなどは、残念ながら普段の洗顔ではなかなか落としきれません。そこでおすすめなのが、洗顔の前に行うプレクレンジング。専用のアイテムで汚れをしっかり取り除いていきます」
エンビロンでは肌状態別にふたつのプレクレンジング製品を提案。どちらかひとつを選んでもいいが、夏のダメージケアにはふたつとも使うのが高橋さんのおすすめだ。
1.真っ先に行いたいのは、オイルによる毛穴の汚れ掃除
「まずはオイルの力で保湿をしながら毛穴の汚れを落とすプレクレンザーを。メイクも同時に落としてくれるので、ディープクレンジングをしたい夜に特におすすめです。顔全体にも使えますが、肌の乾燥が気になる場合は、毛穴の黒ずみや皮脂の詰まりが気になるTゾーンや鼻まわりのみといった部分使いなど、調整していただいてもよいでしょう」
プレクレンザーはこんなときに特におすすめ
- □ 毛穴の黒ずみやザラつきが気になる
- □ 肌に負担の少ないメイク落としを使いたい
- □ 保湿をしながらやさしくメイクを落としたい
- □ 毎日の洗顔で毛穴ケアを行いたい
「洗顔前の乾いた肌に使用します。つけるときは薬指と中指の2本で。こうすると余分な力が入らず、肌に負担をかけることなくのばすことができるんです。全体にのばしてやさしくマッサージしたあとは、水かぬるま湯で洗い流しますが、今回はこのままクレイマスクを重ねます」
2.オイルの上にクレイマスクを重ねづけ
「このクレイマスクを重ねることで、オイルで浮かせた汚れを吸着。さらにやさしくマッサージすることで、マイルドなスクラブ効果も期待できるんです」。このプレクレンジングの重ね技で、肌のザラつきが改善され、透明感あふれるツヤ肌を手に入れられるそう。
クレイマスクはこんなときにおすすめ
- □ 毛穴の黒ずみやザラつきが気になる
- □ 肌の水分と油分のバランスを整えたい
- □ 乾燥するのに皮脂も気になる
- □ 肌のキメを整えたい
- □ 日中のメイクくずれが気になる
- □ 乾燥によるザラつきやくすみが気になる
「プレクレンジングは普段の洗顔では取りきれない汚れを落としてくれるもの。オイルとクレイを重ねて使うことで、肌が乾燥しそうと思われるかもしれませんが、しっとりと仕上がるので心配はいりません。そのあとに使うアイテムの浸透もぐっとよくなりますよ」。肌のコンディションにもよるが、週に2~3回は行うとベストな肌状態をキープできるそう。
プレクレンジング後は、肌タイプに合った洗顔料で洗顔を
「さっぱりした洗い心地が好きな人は、泡立つタイプのジェル状洗顔料を。逆に肌の乾燥が気になる人は、クリームタイプがおすすめです。どちらもメイクも落とせるタイプですが、弱酸性ですので肌に負担をかけずに洗い上げることができます。メイクをしているときは2回、ノーメイクのときは1回洗ってください」
さっぱり洗いたいときはクレンジングジェル
「最初はジェル状ですが、手の平で泡立てるとふんわりとやわらかい泡に。この泡が最大のポイント。たっぷりの泡で洗うことが大切です。泡立てるのが苦手な人は、泡立てネットを使用してください」
乾燥しがちな肌にはしっとり洗えるクリーム状洗顔料
乾燥しがちな肌にはしっとり洗えるクリーム状洗顔料
「クレンジングクリームは泡立たないので、肌にのせるときは力を入れすぎないことがポイント。プレクレンジングのときのように中指と薬指の2本を使ってやさしく肌になじませましょう」
“すすぎ”“拭き”までていねいに行うこと
そして洗顔は最後までアクションに気をつけて、と高橋さん。
「洗顔料を顔に塗るときだけでなく、すすぎやタオルで拭くときも力加減には気をつけましょう。くれぐれもゴシゴシこすったりはしないこと」
「すすぎは両手で水をすくって、顔にパシャパシャと当てるように行うのが基本です。ただし、目元や小鼻の脇、唇の下などは、洗顔料が残りやすいので、やさしく触れながらすすぐこと。またフェイスラインや髪の生え際もすすぎ残しが多いところです。顔の丸みを意識してすすぐとよいでしょう」
「顔を拭くときも余計な力を加えずに肌にそっとタオルを当てるように」。ゴシゴシこするなどのアクションは肌に刺激を与え、赤みや炎症などのトラブルの原因にもなりかねない。さらにシミやシワ、たるみなどの老化を加速させることもあるという。
洗顔後はすぐにトーナーを。肌に乾く隙を与えないこと
「そして大切なのは、洗顔後はすぐにお肌タイプに合ったトーナーで肌を整えること。無防備な状態が長ければ長いほど、肌は乾燥していきます。さらに肌状態に合わせたジェル、セラム、クリームでしっかりケアをしてください。プレクレンジングで古くなった角質を取ったあとなので、肌への浸透もよくなっているはずです」
さらにプラスのケアで、ゆらぎにくい“エンビロン肌”が完成
さらに高橋さんがおすすめするのが、週に2~3回のピュリファイングマスクだ。
「今はまだマスク生活が続いていて、肌が日常的に刺激を受けやすい状態です。私は週に3回ほど、こちらのピュリファイングマスクを使用しているのですが、翌日の肌が落ち着いてツヤが出るのを実感しています。スキンケアもいつもよりとても気持ちよくできるんです」
プレクレンジングから始めるていねいな洗顔、保湿&ビタミンケア、そしてスぺシャルマスク……高橋さんの透明感とツヤにあふれる“エンビロン肌”は、まさに毎日のケアの賜物だと実感した。
MIKI TAKAHASHI | 高橋美希
プロティア・ジャパン、教育チーム/New Door。エンビロンアドバンスディプロマ、AEA認定エステティシャン。エンビロンスキンケアの指導のほか、セミナー講師なども務める。
Photo: HISAI KOBAYASHI
Editor’s Note取材メモ
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体づくりから始める“エンビロン肌”
コロナ禍を受け、より健康に気を使うようになったという高橋さん。もともと運動は好きではなかったのだが、ランニングを始めるなど積極的に体を動かすようになり、食事もタンパク質をしっかり食べるようになったという。「肌も臓器なので、体が健康でないときれいをキープできません。以前に増して栄養バランスに気を使うようになりましたね。ビタミンサプリも欠かさずにとることで、肌が乾燥しにくくなったように感じます」。外側からはエンビロンのスキンケア、内側からは栄養補給で、高橋さんの肌はますます輝きを増しそうだ。
Content Writing
Yumiko Murata | 村田由美子
Beauty Editor
元『ELLE』ビューティ ディレクター。ファッション誌のビューティ担当を20年以上続け、フリーランスに。『エル・ジャポン』『エル・オンライン』のほか美容誌などでも執筆。食べることと赤ワイン、南の島をこよなく愛し、美容に悪いと思いつつもバカンスでは太陽をたっぷり浴びている(その分ケアもしっかりしています笑)。趣味はダイエットと歌うこと。